2015年3月6日金曜日

マイケル・ヨン氏とスポンサーの存在

2月24日、日比谷コンベンションホールにてフリーランスのアメリカ人ジャーナリスト、マイケル・ヨン氏による、「IWG報告会セミナー」と題された講演会が行われた。(産経新聞は「全米で知られたフリーのジャーナリスト」と書くが、ヨン氏はアメリカでは「ジャーナリスト」とは名乗らず、「ライター」と名乗っていると講演会で発言していた。)「慰安婦」問題に関して、産経新聞幸福の科学の英文媒体にヨン氏のインタビュー記事が掲載されるなど、「テキサス親父」ことトニー・マラーノ氏に続いて、ヨン氏は最近、その発言が日本の右派論壇において重宝されているアメリカ人である。

その講演会を筆者は聞きに行ったのだが、本題のIWG報告書の解説にはいる前に、ヨン氏が前置きとして自身が「慰安婦」問題に関わりをもつようになったきっかけについて語っていたのが興味深かった。ヨン氏は「慰安婦」問題に関して、この問題について以前から詳しかったとか、長年、調査研究を積み重ねてきた人物ではないという。

そして、ヨン氏はさらっと、自身に「慰安婦」問題の調査を依頼し、そのための資金を用意し、ヨン氏の住むタイに飛んで3日間のブリーフィングまで行った人たちの存在に言及したのだった。

ヨン氏の講演会の動画はYoutubeにあがっているが、調査依頼者および資金についての箇所は以下の動画の1540~あたりからの部分である。動画に基づき、オリジナルの英語を起こし、その翻訳を以下に添える。(講演会では通訳もはいっていたが、この部分に関しては大意はとれているものの、細かな誤訳や翻訳の抜けもあるので、通訳の話した日本語ではなく、ヨン氏の英語を筆者が訳した文章を添える。)




15:40~
So, somewhere along the way, people recognized my work, who were also working on the comfort women issue. And they realized that strategic interests like this might interest me...strategic issues like this might interest me. So one person who had been researching this for quite a long time had arranged for funding, for a funder, and they flew to Thailand to brief me, so they briefed me for three days on the comfort women issue. Actually at first I did not want to meet with them because I thought that the comfort women issue was very small, and something from the past, and I didn’t understand why anybody was even paying attention to it. So I refused to meet with them at first, actually. And its finally after a long Skype call I said, you know there might be something to this, and they were sending me documents to read, and finally, that was when I agreed to meet with them on this issue. After the meetings in Bangkok I said, well I will look into this, because I don’t know.  I didn’t know who to believe, actually, the comfort women issue obviously has been going on for a long time, and it’s complex. But I did agree to look at it, so I did look at it, and researched on my own. …

そうこうしていたら、慰安婦問題について取り組んできた人々が私の仕事に気づきました。彼らは、私が、こうした戦略的な問題に興味を持つのではないかと考えたのです。そして、この問題を長い間リサーチしてきたある方が、資金とスポンサーを用意した上で、私にブリーフィングを行うためにタイまでやってきたのでした。そして彼らは、慰安婦問題について私に3日間のブリーフィングを行ったのです。実は、私は最初はこの人たちに会いたくありませんでした。なぜなら、私は慰安婦問題というのはとても小さなことであり、過去のことだと思っていたからです。どうしてこの問題に取り組む人たちがいるのか、ということすら理解できませんでした。ですから、私は実は最初は会うことを拒んだのです。でも、最終的には長いSkype電話での後で、私は「もしかしたらこの問題には何かあるかもしれない」と言いました。そして彼らは私に書類を送ってきました。こうして最終的に私は彼らと会うことに同意したのです。バンコクでの会議の後、私は「よくわからないから、調べてみる」と言いました。実は誰の言うことを信じてよいのかわからなかったし、実際、慰安婦問題は明らかにずっと長い間続いてきた問題であり、複雑です。でも私は調べることに同意して、自分で調査をしました。

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ヨン氏は講演会の中で、依頼した人物や団体が誰かということには言及しなかった。だが、”they”といった複数形をヨン氏が使っていることから、たまたまヨン氏に一人の個人が連絡したというようなケースではないと思われる。

このヨン氏への依頼者や スポンサーはいったい誰なのか、あるいはどのような団体なのだろうか。

(文責:山口智美)
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