2018年6月12日に豊島区男女平等推進センター「エポック10」にて、『「慰安婦」問題と未来への責任』(大月書店)を題材にした読書会を開催し、9名のご参加がありました。今後「慰安婦」問題をどう展開していったらいいか、 という点にフォーカスした議論を中心に活発な意見交換を行いました。
ご参考まで、当日のご報告者である池田恵理子、岡本有佳、中野敏男、 能川元一各氏の報告資料を、以下に置いておきます。
もうひとつは、法廷闘争および運動において有用ではないからである。(……)もし「構造」という概念のもとに、「日本の権力に追従して朝鮮人を過酷に支配したり虐待したりした親日派朝鮮人も、実は構造的な被害者だった」という言説が成立してしまうのでは、運動はできないのである。しかし「慰安婦」問題へのバックラッシュを行っている右派が朝鮮人業者の加害者性を強調している現状を考えるなら、「親日派朝鮮人も、実は構造的な被害者だった」という言説が「運動」の邪魔になるという認識は、まったくあたらないのではないか。 本章において唯一、具体的な個人が名指されているのはニューヨーク韓国人父兄協会の共同会長である。そこで小倉氏は、オレグ・パホーモフ氏の議論を援用しつつ、現在の在米コリアンが採用している「承認」獲得戦略ゆえに、『帝国の慰安婦』が排除されねばならないのだ、と主張している。報告後の討論では、アメリカにおける「慰安婦」被害者追悼運動が在米コリアンだけではなくさまざまなアジア系市民の連帯によって行われていること、したがって在米コリアンの「承認」獲得戦略だけで分析することは疑問である、などの指摘が参加者からなされた。
米ロサンゼルス近郊グレンデール市に設置された旧日本軍の慰安婦を象徴する「少女像」をめぐり、米在住の日本人が撤去を求めた米国の訴訟=一・二審は原告敗訴、上告中=で、日本政府が米連邦最高裁判所に「上告が認められるべきだ」とする第三者意見書を提出していたことがわかった。在外日本人が起こした訴訟での意見書提出は異例だ。・『産経新聞』 2017年2月25日 米グレンデール慰安婦像撤去訴訟、日本政府が米最高裁判所に審理求める意見書提出
米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去をめぐり、地元の日本人たちが米連邦最高裁での上告審を求めていることについて、日本政府が「請求は認められるべきだ」との見解を表明した意見書を連邦最高裁に提出したことが24日、分かった。日本政府が連邦最高裁に第三者意見書を提出することは異例。米国内で相次ぐ慰安婦像・碑の設置に関し、日本政府の意見表明の機会になると判断したようだ。
2014年2月から続く米カリフォルニア州グレンデール市の慰安婦像撤去訴訟で、日本政府が米連邦最高裁に第三者意見書を提出する異例の対応に乗り出した。米地方自治体が慰安婦問題に関し、連邦政府の専管権限である外交方針と異なる動きをするだけでなく、日韓間で政治問題化している慰安婦問題に介入することを、看過できないと判断したとみられる。・NHK NEWS WEB 2017年2月28日 政府 米での慰安婦像撤去裁判 上告認めるよう意見書
アメリカ・ロサンゼルス近郊に設置された、慰安婦問題を象徴する像の撤去を求めて、日本人住民らが上告した裁判をめぐり、日本政府は連邦最高裁判所に対し、「像の設置はアメリカ政府も支持する日韓合意の精神に反する」などとして、上告を認めて審理を行うよう求める意見書を提出しました。以上、いずれも記事のリード文のみ引用しました。朝日と産経がともに「異例」の措置であることを伝え、特に産経は意見書提出を歓迎する姿勢を明確に打ち出しているのに対し、NHKは「異例」という評価は行わず、結びの段落では日本政府の狙いについて伝える記事となっています。この他、『時事通信』と『日本経済新聞』が事実をごく簡単に伝える記事を掲載しています。